ステラの櫛歯部分の詳細 |
07:39 |
マニアックな記事ですみません。
普通に見える櫛歯の部分です。ミラのように低音部は太い櫛歯に成っていません。また先端部分もカバーの中なのでチップが有ってもわかりません。
アッパーコームの反対側、普通ダブルコームの場合にコームが有る筈の部分のニッケルメッキのカバーを外すと中にロアーコームのダンパーが見えます。まだロアーコームは見えません。
アッパーコームを外した状態でやっとロアーコームが見えます。ダンパーと共にこのように取り付けられています。
櫛歯を外した写真です。アッパー、ロアーとも同型です。先端部分にダンパーが見えます。
ダンパーが入り込む為に独特の櫛歯の先端の形状です。
コームを裏返しで見たところです。コームとダンパーの位置関係が良くお解りになると思います。
組み付けた状態で裏側から見るとロアーコームの位置が良くわかると思います。ロアーコームを見るためには前部の上板を外し、鏡とペンライトで確認するしか方法が有りませんのでオークション等で購入するにはリスクが非常に高い機種です。
Comment
ミタカ・オルゴール館スタッフ様
コメントありがとうございます。
このブログがお役に立って光栄です。
ステラはご存じのように非常に複雑な構造です。
アッパーコームに対してロアーコームが直角に取り付けられて
いる為に内部を見るには分解するしかありません。
お尋ねのスターホイールですが、他のディスクオルゴール同様
☆型の5爪のスターホイールが取り付けられています。
これも普段はスターホイールの頂点しか見えないので
解りづらい部分です。ステラはオーバーエンジニヤード的な
作りで此処まで作り込む必要は無いのにと思う機種です。
メルモード・フレール社の技術誇示の為のような気がします。
posted by 亀太郎 | 2014/12/23 5:39 PM |
ステラの構造がやっとわかりました。当館にはステラオーケストラルグランドとステラアップライトがあるのですがスターホイールなどの構造がわかりにくいのでマイクロカメラで写そうとしましたがわかりませんでした。ステラのスターホイールも☆歯車のようになっているのでしょうか?
posted by ミタカ・オルゴール館スタッフ | 2014/12/23 4:44 PM |
harpmaster様、とんでもございません。
こちらこそいつもご教示頂き感謝しております。
MF社のオルゴールは最後にダンパーが開放状態に成ると櫛歯の焼き入れ方法が良いのか心地よい残響が残ります。MF社のシリンダー式は所有していないので良くわかりませんが、聴かせて頂いたところではニコル・フレール社よりも私は好きな音色です。
posted by 天野屋 店主 | 2007/05/28 12:01 AM |
こんにちは、いつも私のつまらない好奇心に丁寧なご返答を頂きありがとうございます。
ステラの残響はかなり長いのですね。MF社のオルゴールはどれも、演奏中にはさほど残響を感じないのですが、演奏後の余韻が心地よく残るが良いですね。
posted by harpmaster | 2007/05/27 3:03 PM |
こんにちは。
ステラの構造はよくぞこんなに複雑に作ったものだと感心します。触って見ないとわからない部分が多いですが、複雑な構造がそれを妨げます。元に戻せなく成る可能性が大です。
>スターホイールの回転が1回につき75度に対して90度のコームの位置だと15度分のタイムラグが出るのがステラの音の特徴なのでしょうか?<
聴いたところではタイムラグは感じませんが、確かにミラと音色を比べると、低音域から高音域まで平均で鳴ります。とくに中音域がミラに比べると改善されているようです。ただ聴き慣れて来ると、メカニカルノイズが気に成って来ます。スターホイルがディスクに頭を出す時の「カチカチ」音です。エネルギーの分散がこの方式が最良なにかも知れません?ただロアーコームの振動が前後振動に成るので、サウンドボードに対する反響効果は無いと思いますが、全体での残響は演奏後20秒ほど残ります。この辺も考慮されているようです。設計者が生きていればコンセプトを聞いて見たいところです。
posted by 天野屋 店主 | 2007/05/26 11:55 AM |
丁寧なご説明ありがとうございます。
良く考えて見れば、追記に書かれたとおりですね。
オーフェニオンは、これに比べればわかりやすかった記憶があります。
またエネルギーの分散を考えても、並行に取り付けるよりも調整がしやすいかもしれませんし、同時に弾くよりわずかな時間差の調整が容易なのかもしれません。スターホイールの回転が1回につき75度に対して90度のコームの位置だと15度分のタイムラグが出るのがステラの音の特徴なのでしょうか?写真ではその角度が調節できる構造を作っているような感じがします。
posted by harpmaster | 2007/05/26 3:34 AM |
追記
ステラのような櫛歯の配置を持つ機種は他にも有ります。例えば オーフェニオンやキャピタルカフのダブルコーム等が同等の配置です。しかしスターホイルは独立式では有りません。ステラの場合はアッパーコームの先に有るニッケルメッキのカバー内にスターホイルの独立したバネが有るために対向して櫛歯が取り付ける事が出来ない為に、仕方なく?直角にコームを配置しているのだと思います。開発チームがミラとステラの技を競い合った可能性も否定出来ないと思います。オーフェニオンやキャピタルカフのダブルコーム等も対向して配置出来ない構造です。シンフォニオンがスターホイルガントリーに真鍮のカバーを付けた為に対向して櫛歯を配置する事が出来なく成ったように・・またサブライムと謳っていますがサブライム効果は聴いたところ無いですので、取り付け位置に余裕が無かった為の配置と考えています。
posted by 天野屋 店主 | 2007/05/25 10:54 PM |
こんばんは。
そうですね!これほど複雑な構造はメルモード・フレール社の技術の誇示だったのかも知れません。櫛歯の先端形状は本当に凄い技術だと感心します。しかし2つのコームを並行に置かなかった理由は分解しても良く理解出来ませんが、プロジェクション無しの構造ではスターホイルに相当の力が掛かる為に櫛歯を直角に配置したのかも知れません。それと同時にダンピングの性能のアップのような気がします? またオーバーエンジニアードと言われているように不必要に手が込んでいます。取り扱いは車で言うと市販車では無く、レーシングカーのように気を使います。演奏をするとディスクの穴からスターホイルが顔を出す様子はシリンダーオルゴールのように面白いです。今後も詳細写真を順番で掲載して参りますのでご覧下さい。皆様の参考に成れば幸いです。
posted by 天野屋 店主 | 2007/05/25 9:00 PM |
凄いもの見させて頂きました。ありがとうございます。
この複雑さを考えた人は、いろいろと試行錯誤したことだと思います。特に、あのチップ(先端)の加工技術も泣かせますね。
2つのコームを並行に置かなかったのは、力の関係なのでしょうが、私には理屈がわかりません。
以前、一度欲しくて見に行った時には、分解の仕方が良くわかりませんでした。今回これを見て順番がわかったような気がします。
posted by harpmaster | 2007/05/25 4:22 PM |
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