旧国鉄の高千穂線時代の琺瑯製の駅名版です。「あまの」の名前が入っているのでお気に入りです。
★ 青い字にはリンクが貼ってあります。
天岩戸(あまのいわと)とは、
日本神話に登場する岩で出来た洞である。天戸(あまと)、天岩屋(あまのいわや)、天岩屋戸(あまのいわやと)とも言い、「岩」は「石」と書く場合もある。
太陽神である
アマテラスが隠れ、世界が真っ暗になってしまった岩戸隠れの伝説の舞台である。
天岩戸駅
旧国鉄特定地方交通線であった高千穂線を転換して開業した路線。五ヶ瀬川に沿って宮崎県北部の工業都市延岡市と神話の里高千穂町を結ぶ。深角〜天岩戸間の高千穂橋梁(全長353m)は日本一高い鉄道橋としても有名で、水面からの高さは105mある。そのため、旧国鉄時代から同橋梁上では乗客に対して眺望や高さを堪能させることも目的とした徐行運転を行っていた。
しかし、2005年
9月6日の
台風14号による増水で第一五ヶ瀬川橋梁、第二五ヶ瀬川橋梁が流失するなど全線にわたって甚大な被害を受け、運行休止となった。宮崎県や沿線自治体が復旧費用の負担に難色を示したため、高千穂鉄道としての復旧・運行再開を断念し、全線廃止とすることが決定された。しかしながら、民間で復旧・運行再開をする企業・団体が現れれば譲渡を検討するとしており、宮崎県内外からいくつかの企業が名乗りを上げたほか、高千穂町の観光・商工関係者らが部分運行再開のための会社の設立準備をしている。地元資本による会社では、会社名を「神話高千穂トロッコ鉄道」とし(「高千穂神話鉄道」とする予定であったが、「高千穂鉄道」に酷似しているという理由で不許可となった)、まずは日之影温泉〜高千穂間での部分運行再開を計画し、その後日之影温泉から槇峰、将来的には延岡までの再開を目指している。
なお、鉄道輸送休止後の延岡〜高千穂間の鉄道輸送の代替的輸送は、既存のバス路線もあった宮崎交通を中心とするバス輸送によって実質的に行われている。
交通博物館 高千穂橋梁の模型
(旧高森線・白川第一橋梁に訂正)
高千穂峡の情報サイト。
天の岩戸 神話での記述
古事記
誓約によって身の潔白を証明した
スサノオは、そのまま高天原に居座った。そして、田の畔を壊して溝を埋めたり、御殿に糞を撒き散らしたりの乱暴を働いた。他の神はアマテラスに苦情を言うが、アマテラスは「考えがあってのことなのだ」とスサノオをかばった。
しかし、アマテラスが機屋で神に奉げる衣を織っていた時、スサノオは機屋の屋根に穴を開けて、そこから皮を剥いだ馬を落とし入れ、一人の天の服織女が驚いて梭(ひ)で陰部を刺して死んでしまった。ここにきてアマテラスはスサノオの行動に怒り、天岩戸に引き篭ってしまった。高天原も葦原中国も闇となり、様々な禍(まが)が発生した。
そこで、八百万の神が天の安河の川原に集まり、どうすれば良いか相談をした。オモイカネの案により、様々な儀式を行った。常世の長鳴鳥(鶏)を集めて鳴かせた。天の安河の川上にある堅い岩を取り、鉱山の鉄を採り、鍛冶師のアマツマラを探し、イシコリドメに命じて八咫鏡(やたのかがみ)を作らせた。タマノオヤに命じて八尺の勾玉の五百箇のみすまるの珠(八尺瓊勾玉・やさかにのまがたま)を作らせた、アメノコヤネとフトダマを呼び、雄鹿の肩の骨を抜き取り、ははかの木を取って占い(太占)をさせた。賢木(さかき)を根ごと掘り起こし、枝に八尺瓊勾玉と八咫鏡と布帛をかけ、フトダマが御幣として奉げ持った。アメノコヤネが祝詞(のりと)を唱え、アメノタヂカラオが岩戸の脇に隠れて立った。アメノウズメが岩戸の前に桶を伏せて踏み鳴らし、神憑りをして、胸をさらけ出し、裳の紐を陰部までおし下げて踊った。すると、高天原が鳴り轟くように八百万の神が一斉に笑った。
この声を聴いたアマテラスは、何事だろうと天岩戸の扉を少し開け、「自分が岩戸に篭って闇になっているというのに、なぜアメノウズメは楽しそうに舞い、八百万の神は笑っているのか」と問うた。アメノウズメが「貴方様より貴い神が表れたので、それを喜んでいるのです」と言うと、アメノコヤネとフトダマがアマテラスの前に鏡を差し出した。鏡に写る自分の姿がその貴い神だと思ったアマテラスが、その姿をもっと良く見ようと岩戸をさらに開けたとき、隠れていたタヂカラオがその手を取って岩戸の外へ引きずり出した。すぐにフトダマが注連縄を岩戸の入口に張り、「もうこれより中に入らないで下さい」と言った。こうしてアマテラスが岩戸の外に出てくると、高天原も葦原中国も明るくなった。
八百万の神は相談し、スサノオに罪を償うためのたくさんの品物を科し、髭と手足の爪を切って高天原から追放した。
日本書紀
日本書紀でも大きな話の流れは同じであるが、細部に若干の違いがある。
本文では、スサノオが機屋に馬を投げた際、アマテラス自身が驚いて梭で傷ついたとある。第一の一書では、稚日女尊(ワカヒルメ)が梭で傷ついて死んだとなっている。ワカヒルメはオオヒルメすなわちアマテラスの分身であり、スサノオの行為によってアマテラスが死んだというのが元々の伝承ではないかと考えられる。
第二の一書では、アマテラスが怒って岩屋に隠れたのは、スサノオが神殿に糞をし、アマテラスが気付かずにそれに座ってしまったためとしている。
解釈
アマテラスが天岩戸に隠れて世の中が闇になるという話は、日食を表したものだという解釈が一般的である。また、冬至を過ぎて太陽が弱まった力を取り戻すということを象徴したものとする見方もある。日食神話、冬至神話とも世界各地に見られる(→死と再生の神)。
また、岩戸隠れの前と後でアマテラスの性格が変わっている(岩戸隠れの前は独断で物事を決めているが、後では高木神の指示を仰いでいる、など)ことから、これは指導者の死と新たな指導者の登場を表したものだとする説もある。卑弥呼=アマテラス説の中でいわれていることで、具体的には卑弥呼の死とその後の混乱、台与の登場を表すなどとされる。因みに天文学から計算した結果、卑弥呼が死んだとされる248年に日本で実際に日食が起こっている。
スサノオの乱暴は、その全てが農耕に関連するものであり、暴風雨の災害を表したものだともされる。大祓詞では、このスサノオの行いを総称して「天つ罪」としている。
鶏を集めて鳴かせたことから、伊勢神宮では神宮内に鶏を放し飼いにしている。
鍛冶師のアマツマラについては何をしたかが書かれていないが、本居宣長は矛を作らせるためではないかと推測している。また、剣を作らせたとする説もあり、そうであればこの説話で三種の神器が全て作られたことになる。なお、古語拾遺においては、アマツマラの代わりに一つ目の鍛冶神天目一箇神が登場している。
古事記では、この説話の後に、スサノオとオオゲツヒメによる食物起源神話が挿入されている。
尚、天目一箇神を祖とする忌部氏(斎部氏)は、オオゲツヒメの話に登場する阿波国を出て東に向かった者とされている。この東端が安房国で安房の地名の由来とされている。また、天目一箇神は後で史跡の項に記している三重県志摩市の祭事などにダイダラボッチとして登場する。
天の岩戸隠れの神話はギリシャ神話に於けるデメテル神の神話とよく似ていると言われている。デメテル神の場合、ペルセポネを隠された為、嘆き世の中が真っ暗になってしまう事から来ている。